泉達也 W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ) で稼げる?(後編)
こんにちは、omochiです。
前回、 W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ) の概要やセールス内容の問題点、泉達也が過去に手掛けた案件についてお伝えしました。
ランディングページや動画では、知識や経験のない初心者でも1万円程度の小資金から始められ、完全ノーリスクで確実堅実に稼ぐことができると謳っていますが、クラウドファンディングのデメリットについて一切触れられておらず、「簡単に大金を稼いで不労所得も手に入る」と勘違いしてしまいそうなセールス内容でした。
事実、泉達也が過去に出した「1億円ビジネスオーナー量産プロジェクト」参加者から、セールス内容が実態とかけ離れていたことがうかがえるような被害報告が多く寄せられています。
泉の「1億円ビジネスオーナー量産プロジェクト」について | 集団訴訟プラットフォームMatoMa
それでは、実績はどうでしょうか?

泉達也氏実績
引用元:W収入オーナーズテンプレート
ランディングページや動画では、泉達也氏や生徒が100万円を超える支援金を調達しプロジェクトを成功させた画像を紹介していますが、実際に行われたプロジェクトであることがクラウドファンディングサイトで確認できたので本物ということになります。
ただし、稼げる証拠としては不十分です。
今回はその理由と実績から見えた不審点についてお伝えしていきますが、まずは泉達也氏の情報からご覧ください。

W収入オーナーズクラブ
引用元:W収入オーナーズクラブ
泉達也 とは?

泉達也氏
引用元:W収入オーナーズテンプレート
泉達也氏のプロフィールには、大学卒業後に新卒でリクルートに入社、給料が上がらず将来への不安を感じていたなかでオーナービジネスに出会ったことで独立し、現在はオーナービジネスで年商7000万円を達成し、セミナーで延べ800名以上にインターネットビジネスを教えていると書いてあります。
(年商については動画では1.5億突破したと言っています。どちらなのでしょう?)
プロフィール内容を裏付ける確たる情報は見つかりませんでしたが、「合同会社ライフサイド」の代表を務めている人物であることがわかりました。
合同会社ライフサイドは2015年10月に設立された国内物販と輸入代理事業を行っている会社のようです。
主な事業活動はクラウドファンディング物販で、プロジェクトに成功した一部商品を自社ECで販売しています。

合同会社ライフサイドFacebook
なお、個人のFacebookやcoccara.の特定商取引法に基づく表記は「泉達矢」となっており、個人のTwitterは現在凍結中のようです。
泉達也 の実績
泉達也氏がクラウドファンディングで調達できた支援金は次のとおりとなっています。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年6月まで | |
CAMPFIRE (machi-ya・BOOSTER含む) |
3,312,160 | 14,826,617 | 3,902,780 | 0 |
Makuake | 23,671,240 | 5,755,700 | 0 | 0 |
GREEN FUNDING | 4,194,900 | 529,320 | 8,673,190 | 0 |
kibidango | 0 | 0 | 7,688,570 | 0 |
READYFOR | 0 | 960,720 | 257,400 | 0 |
支援金総額 | 31,178,300 | 22,072,357 | 20,521,940 | 0 |
金額を見るとすごいと思われるでしょうが、この支援金は「売上」であり、稼げる証拠にはなりません。
支援金(売上)から仕入れ代や諸経費を引いた「利益」が多ければ稼げていることになるのですが、利益がわかるような情報は公開していません。
プロジェクトが成功し支援金を調達できても、生産段階でのトラブルや商品の品質不良、支援者への商品発送の大幅な遅延による交換・返金対応で想定外のコストがかかり、思ったほどの利益が出なかったり赤字になるケースがあります。
例えば、330万円の支援金を調達できているこの実績ですが、

泉達也氏実績
引用元:W収入オーナーズテンプレート
リターン商品に不具合があったことから、活動レポートのコメント欄に多くの苦情が寄せられ、返金、着払い返品の対応をしています。
引用元:活動レポート 180°全開!MacBook Airがピッタリ入るボディバッグと多機能バックパック | Makuake
私も返金していただきました。
手元のカバンは着払いで送ってほしいとの案内だったので、カバンを受け取ってしまった方でも問い合わせれば返金してもらえると思います。
引用元:【Makuake】合同会社ライフサイド 購入者の会 | 5ちゃんねる
返金や着払い費用に加えて、OEM商品なので最低発注数次第では在庫を抱えているかもしれないので、利益はほとんどなさそうです。
合同会社ライフサイドのプロジェクトには同様に炎上したケースが他にもありました。
他に利益が出ないケースとして、合同会社ライフサイドがCAMPFIREで行ったプロジェクトの中には、All in方式で募集し支援者が5人に満たないものがいくつかありました。
そのようなケースは売上よりも広告費やプロジェクトページ作成などの費用が上回っていると考えられます。
継続収入にあたる一般販売についても、ごく一部の商品は他社および自社ECサイトで販売しているようですが、多くは類似品や並行輸入品におされて一般販売までこぎつけていないように見受けられます。
したがって、プロフィールで主張するような年商7000万円(動画では年商1.5億)はないように思われます。
生徒の実績
生徒の実績には、「オーナーズお任せテンプレートプロジェクト(クラファンオーナーズクラブ)」でも紹介されていた2020年のプロジェクトに、2021年のプロジェクトが加わっているようです。

生徒実績
引用元:W収入オーナーズテンプレート
2020年のプロジェクトで一般販売を行っていることが確認できたのは1件のみで、その商品も現在は泉達也氏のECサイトcoccara.で在庫処分と思えるようなセール価格で販売しています。
一般販売をしていない商品の中には、プロジェクト実行中に大量発注した追加リターンがほとんど売れ残っているケースも見られました。
また、現在もクラウドファンディングで活動していることが確認できた生徒は1人のみです。
ほかの生徒は1、2件のプロジェクト終了後に新たなプロジェクトを投稿しておらず、問い合わせ用に用意していたサイトを閉じたり、宣伝に使用していたTwitterやFacebookの更新が止まっている様子から、うまくいっているようには見えませんでした。
実績から見えた不審点
泉達也氏が自信を持って掲載した実績に不審点が見つかりました。
まつもとひでき
セールスレターには「少しだけ前を歩む先輩達の喜びのインタビュー」という動画が掲載されています。
4人の生徒がそれぞれ調達できた支援金を紹介し泉達也氏や商材を褒めたたえるという内容なのですが、その中に「まつもとひでき」という人物がいます。

少しだけ前を歩む先輩達の喜びのインタビュー
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=FTDw7gGQdwA
この人物を調べたところ、驚きの情報が出てきました。
「まつもとひでき」こと松本秀樹氏は株式会社HRイノベーション代表取締役社長で、個人Facebookの写真から「超簡単! スマホでメルカリ」という本を出版していることがわかりました。

超簡単! スマホでメルカリ
著者略歴には次のような記載がありました。
株式会社HRイノベーション代表取締役社長。物販コンサルタント、物販スクール「HIC」「YMCA」主催者。「TBGC」メイン講師。
「TBGC」とは坂本よしたか氏の物販コミュニティ「トップバイヤーゴールデンクラブ」のことで、TBGCの講師は坂本よしたか氏の高額塾の卒業生が講師を務めるそうなので、松本秀樹氏は坂本よしたか氏の弟子ということになります。
さらに、2020年にはHIDEKI名義で「100万円プラットフォーム」という商材も販売していたようで、それらを裏付ける情報が検証記事やFacebookで確認できました。

100万円プラットフォーム Google検索結果
100万円プラットフォーム第1話 https://www.youtube.com/watch?v=0u2q8PDrfWk

100万円プラットフォーム第1話より引用

松本秀樹氏Facebookより引用
サクラ…?
インタビュー動画では初対面を装っていましたが、2017~2018年頃には泉達也氏と松本秀樹氏は面識があったようです。
写真左側に前後に立っています。
物販の本を出版し、物販コミュニティの講師を務めるほどの人物が泉達也氏の生徒とは考えにくいです。
これはサクラといってもいいのではないでしょうか。
そのような人物の実績を加えなければならないとすると、W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ)は参加者が少ないか、成功している人が少ないのだと思われます。
おかわりは…?
クラウドファンディングには“クラファンおかわり”と呼ばれるものがあります。
最初のクラウドファンディングサイトでプロジェクトを終了したら、別のクラウドファンディングサイトでプロジェクトを実施することを指します。
クラファンおかわりには、より多くのユーザーに商品をアピールするとともに、支援額を増やすことができるメリットがあり、講師はクラファンおかわり実施可能かどうか、効果が十分に得られるか、実施するクラウドファンディングサイトの順番などを指導すると考えられます。
W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ)で紹介している泉達也氏や生徒の実績の中にもクラファンおかわりを実施しているプロジェクトがありました。
通常、クラファンおかわりは「同じプロジェクト実行者」が行うのですが、清水さんのケースは違いました。

清水さん実績 引用:W収入オーナーズテンプレート

清水さん実績
引用元:https://greenfunding.jp/lab/projects/3558
清水さんのXPURE Urbanマスクは2020年5月1日から6月15日に実施されました。
独占販売権の交渉時期は4月頃と考えられ、新型コロナウイルスによるマスク需要が高いことから多くの支援金を調達できることが予想され、事実830万円もの支援金の調達に成功しました。
独占契約はプロジェクト実行期間中のみと短めに契約することもできるのですが、需要が高いことが予想される商品なら交渉時に
「独占契約期間を少し長めに」
「クラファンおかわりでも支援金調達が見込める」
と判断することもあるかと思います。
しかし、清水さんのXPURE Urbanマスクは契約期間が短かったようです。
そうすると、XPURE Urbanマスクのクラファンおかわりはしなかったのかというと、実はしていました。

合同会社ライフサイドのクラファンおかわり
引用元:https://readyfor.jp/projects/38728
クラファンおかわりをしたのは合同会社ライフサイド、つまり泉達也氏です。
清水さんのプロジェクトが終了した翌日6月16日に開始していました。
皮肉にも泉達也氏のプロジェクトが実施された時期はマスクが普通に購入できるようになった時期と重なり、調達できた支援金が25万円という結果となりましたが、本来は清水さんが得られたはずで、契約の経緯に疑問が残るケースです。
余談ですが
プロジェクト成功の実績は、今後の独占契約交渉の材料となり得ます。
生徒がプロジェクトを成功させた場合は当然生徒の実績なのですが、同時にプロジェクトチームの一員として泉達也氏の実績にもなります。
利益商品を探す労力やプロジェクトにかかる費用は生徒が払い、泉達也氏は何の苦労もなく実績を手にすることができるのです。
W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ)で受ける泉達也氏本人のメリットは、商材の売上だけではないようです。
まとめ
- 泉達也氏の過去の類似案件に被害報告が寄せられている
- クラウドファンディングのデメリットを説明することなく募集を行っている
- 泉達也氏や生徒の実績で紹介されている支援金は売上のみで、費用がどれだけかかっているのか見えないため稼げる証拠となっていない
- 物販経験のある知人の実績を生徒の実績と偽り紹介していることから成功者が少ないことが考えられる
- コンシェルジュが行う独占契約の交渉で不審な経緯をたどったプロジェクトがある
物販ビジネスの商材でノウハウを教えて自分の競合を増やすということは合理性に欠けますので、販売価格に見合うノウハウではないと考えられます。
効果が出るかどうかもわからない商材に頼らず自分で情報収集や勉強が必要だと感じました。
したがって、わたしはこの「W収入オーナーズテンプレート(W収入オーナーズクラブ)」をおすすめしません。